ハービー・ニコルズはどうしてメジャーになれなかったのか。
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実は、最近かなりハマって聴いてます。
ハービー・ニコルズは、セロニアス・モンクと並び称される異色のピアニストと呼ばれているそうです。
しかし名を残したのはセロニアス・モンクであって、彼ではありません。ブルーノートのアルフレッド・ライオンが、このレコードを世に出さなかったら、誰にも知られない存在で終わっていたかもしれないのです。ライナーノート読んでも、不遇のまま40代で亡くなった、などと書いてあります。
なぜこの人はメジャーになれなかったのだろうと、考えながら聴いてしまいます。
『ジャズ・レーベル完全入門』という本を読んだら、まったく同じことが書いてありました。
ひょっとしたら、ほとんどのジャズファンが、このピアニストが世に認められなかった理由を検証するような聴き方をしているのではないか。そんな気がします。
ちょっと気の毒な話ですね。
私としては、その理由をこのCDからは、発見出来ませんでした。
なにしろ素晴らしい内容なのであります。
良いものが売れなかった理由など私にはわかりません。
世の中いろんな分野で、しょうもないものばかり売れてますからね〜。
どう仮説を立てても結果論にしかならない気がします。
この人のスタイルは、絵画でいえばキュビズム。ピカソではなく、ブラックとかレジェの感じ。
トリスターノ風かなとも思えるけどぜんぜんクールではない。あまりブルースっぽくなく、アバンギャルドっぽい気もするけど前衛感はなく、むしろノスタルジック。道化っぽいけど、笑わすつもりはなくアイロニーだよ。という印象です。
エリック・ドルフィーは純文学だ
エリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイブ・スポットVol.1+1
- アーティスト: エリック・ドルフィー,ブッカー・リトル,マル・ウォルドロン,リチャード・デイビス,エド・ブラックウェル
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2004/09/22
- メディア: CD
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エリック・ドルフィーは暗い。その暗さや、過剰とも思える叫びの表現が素晴らしい。
ドルフィーはフルートでは泣き、アルトサックスでは叫び、バスクラリネットでは、グロテスクに呻く。
太宰は一冊読むと、その後どんどんと何冊も読んでしまう。このファイブ・スポットのエリック・ドルフィーも、第1集を聴くと、すぐ第2集も聴きたくなる。
Eric Dolphy At The Five Spot, Vol. 2
- アーティスト: Eric Dolphy
- 出版社/メーカー: Ojc
- 発売日: 1994/03/15
- メディア: CD
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Memorial Album: Recorded Live At The Five Spot
- アーティスト: Eric Dolphy,Booker Little
- 出版社/メーカー: OJC
- 発売日: 1991/07/01
- メディア: CD
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さらに、ピアノがマル・ウオルドロンだ。くろぐろとした同じようなフレーズをくどくどと弾くのがたまりません。なにしろレフトアローンだもの、増々暗いなあ。
この、3枚のCDはあるときから、パタっと聴かなくなるんだ。太宰もね。
でも、数年に一回、また集中して聴きたくなるんだ。バーボンとか飲みながらね…。やはり名盤だよね。
ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン
- アーティスト: Ornette Coleman
- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 2001/12/13
- メディア: CD
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これで、オーネット・コールマンと読むのであります。
他に「褐色光線」なんてのも載ってた。レイ・ブラウンと読む。
ライブ録音した場所はスエーデン、ストックホルム。撮影もそこなんでしょうか。
いやぁ、寒いんでしょうね、ほんとうに冷凍人間になっちゃったりして。
雪上の三人男。それぞれ個性違い過ぎ。面白い。実に見飽きない写真。
フランシス・ウルフの写真、三人のメンバーの物語りを語ってくれる傑作ジャケット。
その後、これに影響されたジャケットがたくさん出た。デューク・ジョーダンもこんな雪景色に、三人ではなく独り佇むジャケットの、フライト・トゥ・デンマーク(紙ジャケット仕様)がありましたね。雪の中で人海戦術みたいに、ミュージシャン多数で写っている写真のジャケットもあった。それは、アマゾンでは見つからなかったけど。
東芝1500円ものはアマゾンでは、なぜかボケた写真で載ってたので、リンクしたこれは外盤。あれれ、これは別テイク多数ですね。安いしこれお買得かも…。
でも、この記事は、東芝の日本盤聴いて書いてます。
なにしろこの三人だもの、中味も最高です。
1曲目「フェイセス・アンド・プレイセス」インパクトあって、やはりイイ。
2曲目「ヨーロピアン・エコーズ」は、これを聴きながら、三拍子に合わせて、抽象的なドローイングで絵を描いたことがあり、個展で発表したことがあります。
なぜかカリスマのリー・モーガン
- アーティスト: リー・モーガン,ジャッキー・マクリーン,ハンク・モブレー,シダー・ウォルトン,ポール・チェンバース,ビリー・ヒギンズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: CD
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このリー・モーガン、なんとなく昔の落語家の某先生に顔が似てる。
見開きのジャケットデザインだったんでしょうね。
裏返すとイラストの延長に、トランペットもサイケに描いてある。
カリスマってタイトルは、なんだか凄い。
モダンジャズも1966年にもなると、成熟を感じます。
その分テンションは低かったりします。8ビートのせいかな。
でも、完成度高いですね。リラックスしてイイ感じです。
この頃になると、録音もかなり良くなってます。
1曲目、「ヘイ・チコ」
モーガン、ねばっこいメロディーで序盤作戦勝ち、名人芸のカリスマ。
ジャッキー・マクリーン、上質の醗酵食品のごとく美味しいソロ。
乳酸菌効いてて、お腹にもイイ。
ハンク・モブレーのソロ、なかなか良い。変にジョー・ヘンダーソン入ってる吹き方。
一応ハマってるから、グッドグッド。
B面1曲目、「スイート・ハニー・ビー」は、デューク・ピアソンの名曲。
彼の同タイトルのアルバムは、ブルーライト・ヨコハマにインスピレーションを与えたけど、このアルバムのモーガンは、歌謡曲っぽいソロを披露。この曲ではモブレーはジョーヘン忘れて、いつものモブレー。
シダー・ウオルトンも、さっぱりとまったりがブレンドされた美味しいピアノ。
それにリズム隊が、ポール・チェンバースにビリー・ヒギンズだから、しっかりとした仕上がりです。
レッド・ガーランドの定番中の名盤!
- アーティスト: レッド・ガーランド,ポール・チェンバース,アート・テイラー
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2004/09/22
- メディア: CD
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いつものマイルス・コンボで一緒のベースがポール・チェンバース。
それにならうとフィリー・ジョー・ジョーンズかと思いきや、ドラムはアート・テーラー。
フィリー・ジョーではなかったのが、傑作の秘密だったりして…。
20年聴き続けてすでに耳タコ状態。それでも、いつ聴いても新しい気分になれる希有な作品。
ジャケットがまた素晴らしい。遊び心満載。
ありふれた壁にチョークで書く落書き風タイトルとパーソネル。
レーベル名レコード番号まで、全部手書き。
さりげなく、わざとらしく右のレンガに『GO RED GO』なんて書いてある。
でも、手書き文字別版で入稿して、白抜き指定でノセてる感じ、いわゆる壁と文字は合成っぽい。
満開の桜の季節にピッタリの定番中の名盤!
東京ブルースといっても演歌ではないのだ!
- アーティスト: Horace Silver
- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 1996/11/05
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ジャズのもの書きは、いつもこれぐらいはやってほしいね。
このCDの場合、作品が出来た背景が大事だからね。詳しく書けば書くほど、ライナーノートが6人目の奏者になる。
1962年1月に初来日して、各地でコンサートをやっている。その想い出を曲にまとめた作品。
それにしても「the Tokyo bluse」のメロディーがクセになります。つい何度も脳内再生してしまう。
まだその頃、東京も日本っぽい風景たくさんあったね。東映チャンバラ三本立てとか観ると、こんなメロディー浮かぶかも。当時私は幼稚園通ってたよ。海外行くと、その国のテレビって面白い。コンサートの合間に、シルバーさん「夢で逢いましょう」とか「シャボン玉ホリデー」も見たのかなぁ。「てなもんや三度笠」も見てたかもね。おや、来日公演がちょうどお正月だね。新春スターかくし芸大会でも見てたかも(ギリギリ始まってたと思う)。12月30日には日本に着いている。すると「紅白歌合戦」も見てたぞ絶対。
日本人はラテンが好きなようですね。と彼自身が書いているそうです。きっと「お祭りマンボ」でも町に流れていたのかもしれない。
ジャケット写真は日本ではなく、ニューヨークのホテルにある日本庭園で撮影されたとのこと。
着物の女性を両手に花状態。この笑顔デレデレですね。
シルバーさん、スゴイ日本が好きみたい。気に入ってたようですね。
楽しかった想い出が、そのまま作品の仕上がりに反映されてます。
これは東芝の名盤1500シリーズを聴いての日記です。
まだ、アマゾンにリンクがないぞ〜。遅いぞ〜。ジャケット写真の複写も暗いぞ〜。