リー・コニッツとウオーン・マーシュ

Lee Konitz With Warne Marsh

Lee Konitz With Warne Marsh

1979年に友達が写真展をやった。僕達はデザイン学校の学生だった。
あるジャズ喫茶が毎週プロアマ問わず、お店の壁面を無料で貸していた。
彼の作品を見に行ってから、そのお店に足繁く通うようになった。
イラストを展示しても良いとマスターに言われ、数カ月後僕も個展を開いた。
水彩で、小さなベムのキャラクターを7点くらい描いた。
思えばあれが初の個展だった。
そのジャズ喫茶で、このレコードは行くと必ず演奏された。
僕が居た時間帯だけでも、多い日は2〜3回ターンテーブルに乗った。
レコード係の好みだったのかもしれないが、リクエストも多かったようだ。
こういうアルバムがそんなに人気があるとは、当時としては意外な感じがした。
クールジャズや、ウエストコーストジャズのような、50年代当時の白人ジャズのサウンドは、僕の大好物なのである。
これは、アルトサックスのリー・コニッツとテナーサックスのウオーン・マーシュの素敵な共演。
ドラムスにケニー・クラークとベースがオスカー・ペティフォードという、黒人リズム隊の参加で、演奏の足腰が物凄くしっかりした。おかげでメロディー楽器のキレが良くなった。ビリー・ヴァウアーのギターもミステリアスだ。
イリアム・クラクストンのジャケット写真が実に好い。
ミュージシャンの表情はもとより、生き方やそのドラマまでも自然に表現しているように感じる。
新鮮なジャズスピリットも、今時求められる癒しの要素もある作品。
クールでカッコイイのだ。